絶対ナル孤独者<アイソレータ>3 ー凝結者 The Trancerーを読んだ

絶対ナル孤独者<アイソレータ>3 ーThe Trancerー
絶対ナル孤独者 (3) ―凝結者 The Trancer― (電撃文庫) 絶対ナル孤独者 (3) ―凝結者 The Trancer― (電撃文庫)
川原礫 シメジKADOKAWA/アスキー・メディアワークス 2016-02-10
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絶対ナル孤独者<アイソレータ>3 ー凝結者 The Trancerーを読みました。

絶対ナル孤独者<アイソレータ>シリーズは、ソードアート・オンラインで知られる川原礫による異能力バトルもので、宇宙から飛来した球体《サードアイ》によって異能力を与えられた者たちの戦いが描かれています。赤い球体は異能力とともに殺人衝動を植え付けるため、赤い球体に寄生された人間《ルビーアイ》が人間を襲い、黒い球体に寄生された人間《ジェットアイ》がそれに対抗する、というのが基本的な対決構造になっています。

主人公である《孤独者》空木ミノルは絶対不可侵の防御殻を展開する能力を持っており、「みんなの記憶から消えてしまいたい」というちょっとアレな願望を持っている高校生です。ただし、作中で幼少期に両親と姉を殺された過去が繰り返し描写されるので「こうなってしまうのもやむを得ない」と思わされるため、あまりアレな人物という感じはせず、お話を読み進めやすい主人公になっています。

一作目の「絶対ナル孤独者<アイソレータ>1 ー咀嚼者 The Biterー」では、主人公が能力に目覚め、同級生の箕輪朋美 (陸上部の女の子。かわいい) を襲ったルビーアイ《咀嚼者》と対決しました。

二作目の「絶対ナル孤独者<アイソレータ>2 ー発火者 The Igniterー」では、ジェットアイによる厚生労働省安全衛生部特別課=《特課》に所属した主人公が、《特課》のメンバーと共にルビーアイ《発火者》と戦いました。

三作目となる本作では、ルビーアイの《組織》に所属する《液化者》と《凝結者》が登場し、《特課》対《組織》という対決構造が描かれました。

一作目で表紙を飾りながらもあまりヒロイン然としていなかった《加速者》安須ユミコは、二作目で過去の因縁が語られてようやくヒロインポジへ収まろうというところだったのですが、本作では新ヒロインとして《屈折者》小村スウが登場してしまい、主人公とスウがメインの話になっています。
これまであまりラノベ主人公然としていなかった主人公ですが、本作ではベッドでスウの上に乗っかったり、ユミコに嫉妬されたりと大分ラノベ主人公然としてきており、(キリト君にはほど遠いですが)その成長がうかがえます。

本作の終盤では《液化者》が意味深なことを言っていて、今後ジェットアイとルビーアイが共闘することもあるのかな?とか今後の展開に期待が高まります。このシリーズは四作まで出ているので、引き続き「絶対ナル孤独者<アイソレータ>4 ー刺撃者 The Stingerー」を読みたいと思います。