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絶対ナル孤独者<アイソレータ>4 ー刺撃者 The Stingerーを読んだ

絶対ナル孤独者<アイソレータ>4
絶対ナル孤独者4 ―刺撃者 The Stinger― (電撃文庫)
絶対ナル孤独者4 ―刺撃者 The Stinger― (電撃文庫) 川原 礫 シメジ

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絶対ナル孤独者<アイソレータ>4 ー刺撃者 The Stingerーを読みました。

シリーズ四作目となる本作は、主人公と<特課>の面々、そしてルビーアイ《液化者》と《凝結者》について、前作「絶対ナル孤独者<アイソレータ>3 ー凝結者 The Trancerー」の後日談的な流れから始まります。

前作で防御殻を爆発的に拡散させる《バースト》を使えるようになった主人公ですが、今作では防御殻に秘められた治癒能力を発揮し、前作で意識不明の重体に陥っていた小村スウの意識を回復させます。
仲間の能力が割と据え置きになっている中で、主人公の能力が成長していく様はペルソナシリーズのキタローや番長めいたものを感じさせます。この手の主人公の特異性は物語の核心に近いものが原因となっている場合が多いのですが、果たしてこのシリーズの場合はどうなるか。今後に注目です。

前作の後日談的な緩やかな流れは、謎のルビーアイ《刺撃者》による襲撃で一気に緊迫したものになります。主人公を襲った《刺撃者》は、続けて《凝結者》をも襲撃。<特課>でも<組織>でも無い第三勢力の登場により、ユミコが《凝結者》を殺そうとしたり、《液化者》が主人公に助けを求めたりと事態は混迷していきます。
《刺撃者》は、前作までの敵対者と違い、その視点や内面の描写が皆無で、能力や能力を持つに至った事情も完全に謎。その異質感が際立っています。

最後は主人公が《刺撃者》に一矢報い、凝結者の◯◯についてある程度の種明かしがされたところで To Be Continued. 続きが気になり過ぎます。本作が出てから既に 1 年ほど経過しているので、続きが出るならそろそろ良い頃合いでしょうか。続刊を楽しみに待ちたいと思います。

絶対ナル孤独者<アイソレータ>3 ー凝結者 The Trancerーを読んだ

絶対ナル孤独者<アイソレータ>3 ーThe Trancerー
絶対ナル孤独者 (3) ―凝結者 The Trancer― (電撃文庫) 絶対ナル孤独者 (3) ―凝結者 The Trancer― (電撃文庫)
川原礫 シメジKADOKAWA/アスキー・メディアワークス 2016-02-10
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絶対ナル孤独者<アイソレータ>3 ー凝結者 The Trancerーを読みました。

絶対ナル孤独者<アイソレータ>シリーズは、ソードアート・オンラインで知られる川原礫による異能力バトルもので、宇宙から飛来した球体《サードアイ》によって異能力を与えられた者たちの戦いが描かれています。赤い球体は異能力とともに殺人衝動を植え付けるため、赤い球体に寄生された人間《ルビーアイ》が人間を襲い、黒い球体に寄生された人間《ジェットアイ》がそれに対抗する、というのが基本的な対決構造になっています。

主人公である《孤独者》空木ミノルは絶対不可侵の防御殻を展開する能力を持っており、「みんなの記憶から消えてしまいたい」というちょっとアレな願望を持っている高校生です。ただし、作中で幼少期に両親と姉を殺された過去が繰り返し描写されるので「こうなってしまうのもやむを得ない」と思わされるため、あまりアレな人物という感じはせず、お話を読み進めやすい主人公になっています。

一作目の「絶対ナル孤独者<アイソレータ>1 ー咀嚼者 The Biterー」では、主人公が能力に目覚め、同級生の箕輪朋美 (陸上部の女の子。かわいい) を襲ったルビーアイ《咀嚼者》と対決しました。

二作目の「絶対ナル孤独者<アイソレータ>2 ー発火者 The Igniterー」では、ジェットアイによる厚生労働省安全衛生部特別課=《特課》に所属した主人公が、《特課》のメンバーと共にルビーアイ《発火者》と戦いました。

三作目となる本作では、ルビーアイの《組織》に所属する《液化者》と《凝結者》が登場し、《特課》対《組織》という対決構造が描かれました。

一作目で表紙を飾りながらもあまりヒロイン然としていなかった《加速者》安須ユミコは、二作目で過去の因縁が語られてようやくヒロインポジへ収まろうというところだったのですが、本作では新ヒロインとして《屈折者》小村スウが登場してしまい、主人公とスウがメインの話になっています。
これまであまりラノベ主人公然としていなかった主人公ですが、本作ではベッドでスウの上に乗っかったり、ユミコに嫉妬されたりと大分ラノベ主人公然としてきており、(キリト君にはほど遠いですが)その成長がうかがえます。

本作の終盤では《液化者》が意味深なことを言っていて、今後ジェットアイとルビーアイが共闘することもあるのかな?とか今後の展開に期待が高まります。このシリーズは四作まで出ているので、引き続き「絶対ナル孤独者<アイソレータ>4 ー刺撃者 The Stingerー」を読みたいと思います。